監修：健診プラザ日本橋

最近どうもすぐにのどが渇く、尿の回数が増えて、疲れやすくなった気がする……といった自覚症状に心当たりはないでしょうか。それはもしかすると糖尿病の初期症状かもしれません。ここでは、気を付けたい糖尿病の兆候についてまとめます。

糖尿病はどんな病気？

糖尿病とはホルモンの一種であるインスリンの分泌に問題が起こり、血液中に過剰な糖（ブドウ糖）が存在する状態が続く病気のことを指します。

糖尿病には自己免疫疾患などが原因で発症する1型糖尿病と、不規則な食事や運動不足、ストレスなど、生活習慣の乱れから発症する2型糖尿病の2種類があります。生活習慣との関連でよく問題になるのは、日本人の糖尿病患者の大多数を占める2型です。

糖尿病を放置していると重篤な合併症を併発する可能性があります。中でも3大合併症と呼ばれるのが、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の3つです。

また、これらの合併症が進行すると、手足などの壊死、失明、腎不全といった重篤な状態を引き起こす恐れがあります。

糖尿病初期の自覚症状

糖尿病の初期症状には次のようなものがあります。当てはまるものがある場合、その症状が長期化している場合には、一度検査を受けてみてはどうでしょうか。

頻尿になる

大量の水分を補給するために尿の回数が増え、しかも多量の尿が出るようになります。白濁して泡立った尿が出ることもよくあり、これは尿にたんぱく質が多く含まれるためだと言われています。

異常にのどが渇く

運動をしたときや食事のときなど、普段よりもとにかくのどが乾くようになります。これは血糖が高くなることで脳が脱水症状であると勘違いし、水分を得てバランスを取ろうとするためです。水やお茶であればまだしも、糖分の入ったジュースや炭酸飲料水を多量に飲むとさらに糖尿病が悪化する危険性があるので注意が必要です。

体重の減少

特にダイエットをしているわけでもないのに、体重が落ちてやせてくることもあります。原因は血中のブドウ糖を細胞に取り込む機能がうまく働かず、代わりに脂肪や筋肉が分解されるためです。もともと肥満の方のほうが糖尿病を招きやすいのですが、それが急激にやせてきたときは糖尿病の兆候である可能性があります。

疲れやすい

糖尿病になると基本的に身体がエネルギー不足の状態となるため、疲れやすく、だるく感じることが多くなります。特に空腹時や食後数時間経ったタイミングで脱力感がひどくなり、やたらと眠気に襲われるようにもなります。

上記以外の兆候としては、食事をしたにもかかわらず何か食べたくなる、手足がしびれる、肌が乾燥する、視力が落ちてくる、立ちくらみがある……といった症状が現れることもあります。

もしかしたら糖尿病なのではないかという兆候、自覚症状があったら、まずは検査を受けてみることです。糖尿病かどうかは、血液検査で血糖値と「HbA1c」を調べれば分かります。健康診断でもこうした検査は行われるので、他の生活習慣病とも併せて調べてみるのも良いでしょう。